転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜
23.お姫様抱っこ
「本日は待ちに待った交流会当日です! 学年の垣根を超えて――」
生徒会長の挨拶で立食会が始まった。こんな時は生徒会が挨拶なりなんなりを行う。
漫画なんかだと、生徒会には華やかなメンバーがいたりするものの、このゲームではパトロール隊が主役だったからな。生徒会は地味な扱いだった。
そして、生徒会と俺たちパトロール隊がゲームの中で絡むのは、後半だ。
――その時が来るのは、少し怖い。
相談事をされるだけだけどな。どうして名簿にあの女の子がいないのか……と。
「では、ファーストダンスをニコラ様とラビッツ様に踊っていただきましょう」
事前に聞いていた通りのタイミングで、促される。生徒たちの視線が集まる。
ラビッツは、いつもと違ってドレス姿だ。真紅のドレスは鮮やかで目を奪われる。ウエストから流れるラインはなめらかで、歩くたびにシルクシフォンのアクセントが淡く光を纏いながらふわりと舞う。胸元には翡翠のブローチが輝き、レッドブラウンの髪はハーフアップに結われて波打つ。
……正直、見惚れてしまう。
「変な顔してどうしたの」
「綺麗だなって」
「……さっきも聞いたから、このタイミングで言わないで」
そう睨まれてもな。会場に入ってから、つい何度も言ってしまう。それしか考えられなくなるんだよな。
俺たちが手を重ねるのを合図に、曲が始まった。合わせて、会場の中心へと踏み出す。腰に手を添え、生徒たちの視線を受けながら優雅にステップを踏む。
「……ニコラ」
小さく名を呼ばれて、目が合う。
「ん?」
「私……ちゃんと、踊れてるわよね」
「ああ、踊りやすい。息がぴったりだよな。練習のお陰かもしれないけど、お似合いのカップルだ」
「まったく、あんたは……。でも、私もそう思う」
「お似合いのカップルって?」
「踊りやすいって!」
互いに緊張がほどけて、足の運びがよりスムーズになる。一曲目が終わり、生徒会長がまた挨拶をした。
「お二人のダンス、まさに夢のようでしたね! 続けてダンスは会場中央付近でのみ、皆さんもご自由にご参加ください。本日の立食交流会を、どうぞお楽しみください」
生徒会長の挨拶が拍手で包まれると、立食会の空気は一層華やかさを増した。貴族の生徒たちはペアを組んで優雅に踊り始める者もいれば、バイキングの料理へと足を運ぶ者もいる。会場の中央を囲うように職員によってロープが張られ、ダンスエリアが設けられた。
俺たちは一礼して退き、窓辺の少し落ち着いた場所へと移動する。ラビッツは胸元に手を当て、ふうっと小さく息を吐いた。
生徒会長の挨拶で立食会が始まった。こんな時は生徒会が挨拶なりなんなりを行う。
漫画なんかだと、生徒会には華やかなメンバーがいたりするものの、このゲームではパトロール隊が主役だったからな。生徒会は地味な扱いだった。
そして、生徒会と俺たちパトロール隊がゲームの中で絡むのは、後半だ。
――その時が来るのは、少し怖い。
相談事をされるだけだけどな。どうして名簿にあの女の子がいないのか……と。
「では、ファーストダンスをニコラ様とラビッツ様に踊っていただきましょう」
事前に聞いていた通りのタイミングで、促される。生徒たちの視線が集まる。
ラビッツは、いつもと違ってドレス姿だ。真紅のドレスは鮮やかで目を奪われる。ウエストから流れるラインはなめらかで、歩くたびにシルクシフォンのアクセントが淡く光を纏いながらふわりと舞う。胸元には翡翠のブローチが輝き、レッドブラウンの髪はハーフアップに結われて波打つ。
……正直、見惚れてしまう。
「変な顔してどうしたの」
「綺麗だなって」
「……さっきも聞いたから、このタイミングで言わないで」
そう睨まれてもな。会場に入ってから、つい何度も言ってしまう。それしか考えられなくなるんだよな。
俺たちが手を重ねるのを合図に、曲が始まった。合わせて、会場の中心へと踏み出す。腰に手を添え、生徒たちの視線を受けながら優雅にステップを踏む。
「……ニコラ」
小さく名を呼ばれて、目が合う。
「ん?」
「私……ちゃんと、踊れてるわよね」
「ああ、踊りやすい。息がぴったりだよな。練習のお陰かもしれないけど、お似合いのカップルだ」
「まったく、あんたは……。でも、私もそう思う」
「お似合いのカップルって?」
「踊りやすいって!」
互いに緊張がほどけて、足の運びがよりスムーズになる。一曲目が終わり、生徒会長がまた挨拶をした。
「お二人のダンス、まさに夢のようでしたね! 続けてダンスは会場中央付近でのみ、皆さんもご自由にご参加ください。本日の立食交流会を、どうぞお楽しみください」
生徒会長の挨拶が拍手で包まれると、立食会の空気は一層華やかさを増した。貴族の生徒たちはペアを組んで優雅に踊り始める者もいれば、バイキングの料理へと足を運ぶ者もいる。会場の中央を囲うように職員によってロープが張られ、ダンスエリアが設けられた。
俺たちは一礼して退き、窓辺の少し落ち着いた場所へと移動する。ラビッツは胸元に手を当て、ふうっと小さく息を吐いた。