転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜
33.プール1
ボトルフェスが終わってから、学園には相変わらずの穏やかな日々が戻った。
あの翌日はボトルを探しきれなかった生徒向けに、ラビッツのメモしたマップを元に場所が掲示され、無事に全員がボトルを入手した。フェスが終わったあとは、相手を見つけられなかったり見つけてもらえなかった生徒が生徒会へと報告し互いの名前を教えてもらう。それはそれであとから受け渡しが行われ、交流が生まれる。
あの夜のきらめきは、ずっと胸に残っている。ラビッツに頬にキスしてもらって、これから新たな関係が生まれる――、と思ったものの。
『あれは、と、特別だったから。忘れて……ん、忘れてもらっても困るけど、気にしちゃ駄目なんだからね!』
と翌日に言われ、俺はどう動いていいのやら少し戸惑ったままだ。
ま、ツンデレだからな!
普段の態度からも、かなりの恥ずかしがり屋さんであることは理解している。少しずつ進展していることは確かだし、好意も感じている。焦らないようにしよう。
パトロール隊への小さな頼まれ事なんかもある中、一ヶ月が過ぎて六月の雨の時期も終わり、学園は一気に夏の色に変わった。プールの水面も、陽を跳ね返してきらめいている。
「いやっほーい! プールだ!」
「気持ち悪いプールにゃんね」
「これを処理したら、プールだぜ!」
「応援はするにゃん」
……トラも俺に律儀に突っ込むよな。
この学園に水泳の授業はない。が、水魔法の練習のためのプールはある。水泳のためではないせいか、正方形だ。申請を出せば個人でも使用できる。人数制限はありつつ、他のグループと一緒になることが多い。水は自ら魔法で生み出さなくてはならず、一ヶ月に一度の全体清掃に駆り出される。ただの遊びでは使わないでねということだろう。
夏の季節になると申請者は多くなり……今、目の前にあるプールの中には、くらげもどきがたくさん蠢いている。
本日、土曜のおやつの時間に生徒の何人かがパトロール隊の部屋へと駆け込んできた。
『パトロール隊の皆さん、すみません! 幻影魔法で遊んでいたら消えなくなっちゃって。プールを管理している職員さんにも許可はとったので、よろしくお願いします。お任せする形で、僕たちはもう全員プールからあがりました』
リュークが浄化魔法を使えることは、いつの間にかもう有名だ。剣術科で色々あったのだろう。ゲームでもそうだった。
そして、思わずラビッツと顔を合わせた。
そう……このイベントは、ゲームだとルートに入っている女の子と二人きりの時に起きた。共通イベントではない。個別ルートだ。
が、休みだというのに俺たちはパトロール隊の隊員部屋に全員集合していた。もう皆、課題まであそこでやっているし、誰もが入り浸っている。リュークが部屋で誰かと二人きりなんてことは、そうそう起こらない。
もしかしたら、リュークの恋愛イベントを阻止していたのは俺たちだったのかもしれない……と危惧しながら、緊急性はなかったのでのんびりと更衣室で水着に着替えてやってきた。
あの翌日はボトルを探しきれなかった生徒向けに、ラビッツのメモしたマップを元に場所が掲示され、無事に全員がボトルを入手した。フェスが終わったあとは、相手を見つけられなかったり見つけてもらえなかった生徒が生徒会へと報告し互いの名前を教えてもらう。それはそれであとから受け渡しが行われ、交流が生まれる。
あの夜のきらめきは、ずっと胸に残っている。ラビッツに頬にキスしてもらって、これから新たな関係が生まれる――、と思ったものの。
『あれは、と、特別だったから。忘れて……ん、忘れてもらっても困るけど、気にしちゃ駄目なんだからね!』
と翌日に言われ、俺はどう動いていいのやら少し戸惑ったままだ。
ま、ツンデレだからな!
普段の態度からも、かなりの恥ずかしがり屋さんであることは理解している。少しずつ進展していることは確かだし、好意も感じている。焦らないようにしよう。
パトロール隊への小さな頼まれ事なんかもある中、一ヶ月が過ぎて六月の雨の時期も終わり、学園は一気に夏の色に変わった。プールの水面も、陽を跳ね返してきらめいている。
「いやっほーい! プールだ!」
「気持ち悪いプールにゃんね」
「これを処理したら、プールだぜ!」
「応援はするにゃん」
……トラも俺に律儀に突っ込むよな。
この学園に水泳の授業はない。が、水魔法の練習のためのプールはある。水泳のためではないせいか、正方形だ。申請を出せば個人でも使用できる。人数制限はありつつ、他のグループと一緒になることが多い。水は自ら魔法で生み出さなくてはならず、一ヶ月に一度の全体清掃に駆り出される。ただの遊びでは使わないでねということだろう。
夏の季節になると申請者は多くなり……今、目の前にあるプールの中には、くらげもどきがたくさん蠢いている。
本日、土曜のおやつの時間に生徒の何人かがパトロール隊の部屋へと駆け込んできた。
『パトロール隊の皆さん、すみません! 幻影魔法で遊んでいたら消えなくなっちゃって。プールを管理している職員さんにも許可はとったので、よろしくお願いします。お任せする形で、僕たちはもう全員プールからあがりました』
リュークが浄化魔法を使えることは、いつの間にかもう有名だ。剣術科で色々あったのだろう。ゲームでもそうだった。
そして、思わずラビッツと顔を合わせた。
そう……このイベントは、ゲームだとルートに入っている女の子と二人きりの時に起きた。共通イベントではない。個別ルートだ。
が、休みだというのに俺たちはパトロール隊の隊員部屋に全員集合していた。もう皆、課題まであそこでやっているし、誰もが入り浸っている。リュークが部屋で誰かと二人きりなんてことは、そうそう起こらない。
もしかしたら、リュークの恋愛イベントを阻止していたのは俺たちだったのかもしれない……と危惧しながら、緊急性はなかったのでのんびりと更衣室で水着に着替えてやってきた。