仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 「古臭いとはなんだ。そもそも誌史はまだ二十四歳だぞ?」
 「〝もう〟二十四歳よ。立派な大人なんだから、いつまでも親が口を出す年じゃないでしょう?」


 蛍が笑いながら言うと、京志郎はむっと眉を寄せる。


 「……だがなあ」
 「大将、心配なのはわかるけど」


 カウンターにいた常連客のひとりが、湯呑を置いて笑った。


 「娘さんがこうして真面目そうな男を連れてきてるだけでも安心じゃないか。普通なら黙って同居する子だって多いんだぜ」
 「そうそう。挨拶に来るなんて、なかなかできないわよ」


 べつの客も口をはさむ。思いがけず店全体が味方になり、誌史はさらに顔を赤らめた。
 修吾はそんな空気に流されることなく、背筋を正す。


 「もちろん、すぐに結婚を……という段階ではありません。ですが、将来を見据えて誠実にお付き合いしたいと考えています。もしも心配事や不安な点がおありでしたら、いつでもご連絡をいただければ伺います」
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