仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 低く落ち着いた声に、店内がしんと静まり返る。
 京志郎はしばし腕を組み、じっと修吾を見据えた。


 「責任は取れるのか」
 「はい」


 即答した修吾の瞳に迷いはなかった。
 その様子を見ていた蛍が、ふっと口元を緩める。


 「ね? いい人でしょ。誌史のこと、大事にしてくれそうじゃない」
 「お前は甘すぎる」
 「あなたは厳しすぎるの」


 夫婦の応酬に、常連客たちから笑いが漏れる。
 やがて京志郎は、重々しく息を吐いた。


 「誌史」
 「はい」
 「お前が本当にこの男を信じて、ともに暮らしたいと思うなら……父さんは無理に止めることはしない。ただし、困ったときは必ず帰ってこい。それが条件だ」


 誌史の胸に熱いものが込み上げてくる。


 「……ありがとう、お父さん」
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