仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 戸惑いながら受け取ると、修吾の目がちらりと動いた。


 「誌史ちゃんには、いつもいろいろと助けてもらってるからね」


 夏生がにこやかに続ける。

 (いろいろって! むしろ助けてもらってるのは私のほうだし、これ以上変なことを言って妙な空気を作らないで……!)

 夏生に目で訴えるが、まったく通じないようだ。夏生は誌史にやわらかく微笑んでから修吾に向きなおる。


 「だからこそ、こういう場では俺がなにかしてやりたいと思うんですよ」


 もはやお手上げ。誌史は困ったように笑うしかない。


 「それは心強いですね」


 修吾は同じように微笑みを保ちながら箸を置いた。


 「ただ、支える役目は、これから俺が担っていきたいと思っていますので」
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