仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 「今日は両親に会ってくださってありがとうございました」


 膝の上に置いたバッグを抱えつつ頭を下げた。


 「俺のほうこそ会わせてくれてありがとう」
 「修吾さんのご家族は、私が勝手に同居しても大丈夫ですか?」


 ふと気になって尋ねる。


 「俺はもういい歳だし、誰と一緒に住もうが全然気にしないだろうね」


 年齢的な側面で考えたら、たしかにそうかもしれない。男性と女性とで違うのもあるだろう。


 「むしろ手放しで喜ぶんじゃないかな。やっと結婚かって」
 「けっ、結婚……!」


 唐突に出てきた飛躍的な単語に驚いて、つい大きな声で反応してしまった。


 「誌史が会っておきたいと言うなら話はべつだけど」
 「あっ、いえ、大丈夫です」
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