仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
その夜、夕食を外で食べ、お風呂も済ませた誌史は、衝撃的な場面に出くわしていた。
「誌史の寝る場所はここ」
修吾に案内されたのは、普段から彼が使っていると思しき寝室だったのだ。
リビングと同様にダークブラウンのフローリングに、低めのキングサイズベッド。グレーとアイボリーを基調としたリネンがすっきりと整えられ、ベッドサイドの間接照明がやわらかな光を落としている。
壁際にはシンプルな書棚と観葉植物がひと鉢置かれていて、それだけで空間に穏やかな呼吸が生まれていた。
重厚すぎず、それでいてセンスのよさが漂う。ホテルのスイートルームを思わせるのに、どこか住む人の温かさが残っていて、まさに修吾そのものを映したような部屋だ。
しかし問題は内装ではない。
(しゅ、修吾さんと同じベッドで寝るの!?)
どこで寝るのかな?と考えながら引っ越し作業や片づけに取りかかっていたが、まさか同じ部屋で、しかもひとつのベッドで寝るとは想像もしていない。
誌史は息を吸い込んだまま固まった。
「誌史? 息をして、息を」