仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
そのルモアンヌから改めて娘を紹介したいと乞われ、一瞬の逡巡の結果、口から出たのは『じつは私には心に決めた女性がいるんです』という言葉だった。
もちろん、相手は詩史だ。
彼女を婚約者に仕立て、ルモアンヌを納得させることに成功。驚き戸惑う詩史に、しばらく婚約者のふりをしてほしいと半ば強引に頼み込んだ。
表向きは、ルモアンヌの目を欺くための演技。しかし修吾にとっては、本物も同然だった。もちろん、夏生を遠ざけるための手段のひとつでもあった。
誌史の気持ちはわからないが、嫌われていない自信はある。
夏生と里依紗が騒ぎ立てる中、詩史にスキルアップするチャンスだと提案し、なんとか納得してもらえたときには心の中で密かに拳を握りしめた。
そうしてふたりは、偽りの婚約者となった。
心をガードするのも忘れ、誌史に対しては素直に笑顔を向けられるようになったのはいつからか。
仕事は相変わらず忙しく、外務省での責務は時に修吾の時間も心も削る。だが、そんな〝戦い〟の合間に、彼女の存在がふっと空気を和らげる。
友人の誕生日パーティーが行われた夜がいい例だ。
疲労回復に効くというお茶を飲み、眠り込んでしまったのは、誌史の優しい空気に触れたせいだろう。
彼女のマンションで意図せず朝を迎えたとき、こんなふうにして毎朝彼女のそばで目覚められたらどれだけ幸せだろうかとふと考えた。
もちろん、相手は詩史だ。
彼女を婚約者に仕立て、ルモアンヌを納得させることに成功。驚き戸惑う詩史に、しばらく婚約者のふりをしてほしいと半ば強引に頼み込んだ。
表向きは、ルモアンヌの目を欺くための演技。しかし修吾にとっては、本物も同然だった。もちろん、夏生を遠ざけるための手段のひとつでもあった。
誌史の気持ちはわからないが、嫌われていない自信はある。
夏生と里依紗が騒ぎ立てる中、詩史にスキルアップするチャンスだと提案し、なんとか納得してもらえたときには心の中で密かに拳を握りしめた。
そうしてふたりは、偽りの婚約者となった。
心をガードするのも忘れ、誌史に対しては素直に笑顔を向けられるようになったのはいつからか。
仕事は相変わらず忙しく、外務省での責務は時に修吾の時間も心も削る。だが、そんな〝戦い〟の合間に、彼女の存在がふっと空気を和らげる。
友人の誕生日パーティーが行われた夜がいい例だ。
疲労回復に効くというお茶を飲み、眠り込んでしまったのは、誌史の優しい空気に触れたせいだろう。
彼女のマンションで意図せず朝を迎えたとき、こんなふうにして毎朝彼女のそばで目覚められたらどれだけ幸せだろうかとふと考えた。