仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 『こちらがその彼女です』


 いよいよ紹介され、誌史は半歩前へ出た。


 『誌史と申します。今日はお会いできて光栄です』
 『まぁ! かわいらしいお嬢さんね! 私はアリシアよ』


 そう言いながら、彼女は誌史をふわりと抱きしめた。甘い大人の香りに包まれる。


 『そのドレス、とてもよく似合ってるわ』
 『ありがとうございます……』


 ぎこちなくも礼を返すと、アリシアは優しい目をしてうなずいた。


 『会えてよかったわ。今夜は楽しんでいってちょうだいね』
 『はい』


 夫妻と別れ、誌史は修吾と揃ってウエイターから淡い夕焼け色のロゼを受け取った。
 静かに乾杯して口に含むと思いのほかドライだが、熟れた苺のような甘い後味がする。

 そうしているうちに修吾の周りに大勢の人が集まり、談笑がはじまった。
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