仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
グラスを手に立ち並ぶ人々の輪の中で、修吾は堂々と外交官として会話を交わしている。先ほどのように聞き取れるかと思いきや、誰も彼も早口で追いつかない。専門用語でわからないせいもあるが、これが普通のスピードなのだろう。
もしかしたらアリシアは、誌史を気遣ってゆっくりしゃべってくれたのかもしれない。
耳に入るフランス語の響きが心地よい反面、自分の未熟さを痛感していたそのとき、背後から聞き覚えのある声がした。
「まぁ、神谷さんじゃないですか。誌史ちゃんも」
振り向くと、鮮やかなエメラルドグリーンのドレスを纏った里依紗が立っていた。髪を華やかにまとめ上げ、大ぶりのイヤリングがシャンデリアの光を反射してきらめく。にこやかに微笑んでいるが、その瞳の奥にはどこか鋭い光が潜んでいるように見えた。
「偶然ですね。私も知り合いにお誘いいただいて……」
軽やかな声で言う。
(本当に偶然なのかな)
じつは誌史は、このパーティーに修吾と出席することを里依紗に話していた。仕事の合間にしていた雑談から話さざるを得ない状況になったのだ。
もしかしたらアリシアは、誌史を気遣ってゆっくりしゃべってくれたのかもしれない。
耳に入るフランス語の響きが心地よい反面、自分の未熟さを痛感していたそのとき、背後から聞き覚えのある声がした。
「まぁ、神谷さんじゃないですか。誌史ちゃんも」
振り向くと、鮮やかなエメラルドグリーンのドレスを纏った里依紗が立っていた。髪を華やかにまとめ上げ、大ぶりのイヤリングがシャンデリアの光を反射してきらめく。にこやかに微笑んでいるが、その瞳の奥にはどこか鋭い光が潜んでいるように見えた。
「偶然ですね。私も知り合いにお誘いいただいて……」
軽やかな声で言う。
(本当に偶然なのかな)
じつは誌史は、このパーティーに修吾と出席することを里依紗に話していた。仕事の合間にしていた雑談から話さざるを得ない状況になったのだ。