仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 「世界平和度指数でフランスが何位か知ってるか?」
 「……知らないです」


 唐突に質問され、一瞬考えてから答える。


 「二〇二五年は七十四位。ちなみにヨルダンやタンザニアより下だ。日本は十二位だから、それがどういうことかわかるだろう?」


 修吾はスマートフォンをテーブルに置き、誌史を真っすぐに見た。

 (そんなに危険なの?)

 フランスは先進国とはいえ日本と同じ感覚でいたらいけないのは知っているが、イスラエル近くにある国やアフリカにある国よりも下だとは。


 「外に出るのは危険だ」


 修吾がきっぱりと言いきる。

 (たしかに神谷さんの言う通り。でも……)

 修吾の申し出は優しさからくるものだとわかっているが、同時に自分が彼の厚意に甘えてしまうことへのためらいもあった。申し出はありがたいが、迷惑をかけているという罪悪感が拭えない。
 とはいえ四の五の言っている場合でないのも事実だ。危険を顧みずに外へ出る勇気はない。
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