仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 「……ご迷惑じゃないですか?」
 「迷惑なら、最初から言わない」


 修吾はそう言って軽く肩をすくめた。
 ベッドはふたつある。物理的な距離は、ひとまず保てるだろう。


 「では……お邪魔させていただきます」
 「それでいい」


 修吾は、ようやく少しだけ肩の力を抜いたように見えた。


 「そうと決まれば夕食だな。近くに美味しいフランス料理を出す店がある」
 「本場のフレンチ!」


 つい目を輝かせる。先ほどまで落ち込んでいたのにゲンキンなものだと自分で思う。

 修吾はそれまで見せていた真顔を解き、クスッと笑って立ち上がった。
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