仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 「よかった……」


 聖はうなずきながら、さらに説明を続けた。


 「念のために入院していただきます。数日の検査入院で済む見込みですから、あまり心配なさらないでください」


 誌史の瞳に涙が浮かぶ。修吾は横でその肩を支え、彼女の小さな震えを静かに受け止めた。
 ふと聖の視線が修吾に向く。


 「それにしても……ここで修吾と会うとはな」
 「偶然だ。彼女のお母様が運ばれたと聞いて駆けつけた」


 聖は納得したように目を細め、「……そういうことか」と小さく呟いた。


 「それでは、ご案内します」


 聖に先導され、修吾たちは白い廊下を進んだ。消毒液のかすかな匂いと足音が反響する静けさが、病院特有の張りつめた空気を生んでいる。

 ふと、聖が一室の前で足を止めた。
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