仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
そんなふたりのやりとりを見守りながら、京志郎は黙って妻の肩に手を置いた。普段は寡黙な彼が、その手に込める想いはひときわ強いものに見えた。
修吾は少し距離を置いて立っていたが、蛍が気づき、弱々しく微笑む。
「あら、神谷さんまで……わざわざ来てくださったのね」
「ご無事で、本当に安心しました」
短くそう答える声に、自然と胸の奥から力がこもる。
聖はカルテを手に控えながら、改めて説明した。
「今夜はとにかく休んでいただきます。明日からいくつか検査をして、今後の生活習慣についても指導させていただきますので」
「よろしくお願いします」
誌史と父が同時に頭を下げると、聖は「お大事に」と残して部屋をあとにした。
病室に静けさが戻り、モニターの規則正しい電子音が蛍の鼓動の確かさを伝えている。
誌史は母の手を握りしめたまま、離そうとはしなかった。
修吾は少し距離を置いて立っていたが、蛍が気づき、弱々しく微笑む。
「あら、神谷さんまで……わざわざ来てくださったのね」
「ご無事で、本当に安心しました」
短くそう答える声に、自然と胸の奥から力がこもる。
聖はカルテを手に控えながら、改めて説明した。
「今夜はとにかく休んでいただきます。明日からいくつか検査をして、今後の生活習慣についても指導させていただきますので」
「よろしくお願いします」
誌史と父が同時に頭を下げると、聖は「お大事に」と残して部屋をあとにした。
病室に静けさが戻り、モニターの規則正しい電子音が蛍の鼓動の確かさを伝えている。
誌史は母の手を握りしめたまま、離そうとはしなかった。