仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 両想いになったばかりだからなのか、新しい関係性にまだ自信が持てず、つい遠慮がちになる。ところがそんな迷いも、修吾のひと言で容易く吹き飛んだ。


 「いや、大歓迎だ」


 気持ちが一気に弾む。


 「夕食はまだだろう?」
 「はい。でも帰りに買物もできてないんです」
 「心配いらない。冷蔵庫に少しなら材料がある」


 修吾の口角がぐっと上がる。


 「じゃあ、一緒に作りましょう」


 上着を脱いでキッチンに向かった修吾を追いかけ、誌史も急いでエプロンを着けて隣に並んだ。


 「野菜スープとチキンソテーを作ろう。冷凍庫に鶏肉のストックが残ってたはずだ」
 「修吾さん、意外とマメですね」
 「ひとり暮らしが長かったからな。生き延びる術はそれなりに覚えた」


 さらりと言いながら、スープ用の玉ねぎの皮をむく仕草が妙に様になっている。
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