仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 「ご褒美にパリに行こうか」
 「えっ?」
 「あのカフェに、ふたりで行かないか?」
 「修吾さんと出会ったあそこに? はい、行きたいです! ぜひ!」


 誌史は資料を小脇に抱え、バッグからシステム手帳を取り出した。


 「いつ頃にしますか?」


 まさかこの場で日程を決めるとは思いもせず、修吾は思わず笑った。


 「どうかしました?」
 「いや、そうだな、ゴールデンウイークはどう?」
 「いいですね! ちょうど出会って一周年ですし」


 誌史が嬉しそうにページをめくった手帳に、修吾はふと目を留めた。


 「それ……」


 革製のカバーに星の形をした銀色のピンバッジが付いている。
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