仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 誌史は小さく息を呑み、頬を染めながらうなずいた。


 「私も、修吾さんを支えられるようにがんばりますから、もうちょっと待ってくださいね」


 そう言って笑う詩史の顔を見つめながら、修吾は心の中で静かに思った。
 彼女となら、どんな未来も怖くない。


 「詩史はもう十分、俺の支えだよ」


 修吾は詩史の手をそっと取った。


 「偶然なんかじゃないのかもしれないな」
 「……え?」
 「こうしてまた、誌史に会えたのも」


 言い終えるより早く、修吾はゆっくりと誌史の頬に触れた。
 指先に伝わる温もりが、愛しさをたしかな形に変えていく。誌史の瞳が、ためらいがちに修吾を見上げた。

 その視線を受け止めながら一歩、距離を詰め、花束ごと誌史を抱きしめる。

 窓の外、遠くに聞こえる街の喧騒が消えていく。世界に残っているのは、互いの呼吸だけ。
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