仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
自分の両親への挨拶は先週末に済ませたが、緊張はそのときの比ではない。自分の家族のときはくすぐったさのほうが先に立った気がする。
閑静な住宅街に建つ修吾の実家は、白い塗り壁に深いグリーンの窓枠が映える洋風の邸宅だ。
屋根は赤茶の瓦で、緩やかな傾斜が午後の陽を受けてあたたかく輝いていた。玄関前には小さなアーチのポーチがあり、アイアンのランプが静かに揺れている。
修吾が玄関のドアを開けると、すぐに彼の母親、多香美がにこやかに出迎えてくれた。
「母さん、ご無沙汰してます」
「修吾さん、お久しぶりね」
ふたりに血の繋がりはないと聞いている。彼女は父親の再婚相手だ。
やわらかな光を纏うような人というのが、彼女の第一印象だった。
頬のあたりにうっすらと笑みの跡が残る顔立ちは年齢を重ねた分だけ優しさを深めていて、初対面の誌史にも不思議と安心感を与える。栗色の髪を肩のあたりでふんわりとまとめ、淡いベージュのニットに包まれた姿は春から初夏へと移る季節の空気にしっくりと馴染んでいた。
「いらっしゃい、誌史さん。待っていたのよ」
「は、初めまして。鎌形誌史と申します。それからこれ、どうぞ」
閑静な住宅街に建つ修吾の実家は、白い塗り壁に深いグリーンの窓枠が映える洋風の邸宅だ。
屋根は赤茶の瓦で、緩やかな傾斜が午後の陽を受けてあたたかく輝いていた。玄関前には小さなアーチのポーチがあり、アイアンのランプが静かに揺れている。
修吾が玄関のドアを開けると、すぐに彼の母親、多香美がにこやかに出迎えてくれた。
「母さん、ご無沙汰してます」
「修吾さん、お久しぶりね」
ふたりに血の繋がりはないと聞いている。彼女は父親の再婚相手だ。
やわらかな光を纏うような人というのが、彼女の第一印象だった。
頬のあたりにうっすらと笑みの跡が残る顔立ちは年齢を重ねた分だけ優しさを深めていて、初対面の誌史にも不思議と安心感を与える。栗色の髪を肩のあたりでふんわりとまとめ、淡いベージュのニットに包まれた姿は春から初夏へと移る季節の空気にしっくりと馴染んでいた。
「いらっしゃい、誌史さん。待っていたのよ」
「は、初めまして。鎌形誌史と申します。それからこれ、どうぞ」