仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 修吾はさっと立ち上がり、冷蔵庫から同じものを取り出して誌史に差し出した。


 「座って」


 それを受け取りつつ、おずおずと腰を下ろす。先に座った修吾とのスペースをどれくらい空けるのが正解かわからず、もぞもぞとお尻を動かした。

 外の通りのざわめきは遠く、部屋の静かさをやけに感じる。とはいえ水のおかげか、修吾の気遣いのおかげか、先ほどよりだいぶ緊張は和らいだ。


 「少しは落ち着いた?」
 「……はい、ありがとうございます。でも今日は本当にご迷惑をおかけしてすみませんでした」


 朝から二度も助けてもらってしまった。


 「知ってる? そう言われて困るのは言われたほうだって」


 修吾の言葉に、誌史は一瞬息を呑んだ。


 「あ……」
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