仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 「サプライズ成功だな」
 「はい」
 

 とびきり最高の、である。資料を抱えて大きくうなずく。


 「あちこち走り回って頑張っていたようだ」
 「見てたんですか? 恥ずかしい」


 変な言動はしていなかったかと、この数時間を急いで回想する。怪しい点はいくつかあったが、どうか修吾がその場面を見ていませんようにと祈る以外にない。


 「神谷さんもこの件に関わっていたんですね」


 誌史は目の前の仕事に精いっぱいで、彼がいることにまったく気づかなかった。


 「文化庁と外務省の連携案件で、少し前から準備に関わっていたんだ。今日は来賓のアテンドも兼ねて」
 「そうだったんですね」
 

 やはり彼はこうした場にふさわしい人だと、つい先ほどの場面を見ただけで思わせる。言葉の選び方も立ち居振る舞いも空間に調和していて、周りに安心感を与えていた。
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