仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
突然降ってわいたミッションに戸惑わずにはいられない。目を白黒させてルモアンヌと修吾を見る。
『本当なのかい?』
彼の目が誌史に向けられる。深く青い瞳が、心の奥を見透かすように静かに問いかけてくる。ルモアンヌの確認は冗談の延長のようでいて、どこか真剣な響きを帯びていた。
誌史は息を呑んだまま、言葉を探していた。喉が乾き、手に持っていた資料の角が指先に食い込む。視線を修吾に向けると、彼はなにも言わず、ただ静かに目で語っていた。
〝頼む〟
切実な願いをその瞳に宿していた。
(どうしよう……)
迷いに迷う。〝婚約者〟という単語が頭の中をぐるぐると回っていた。
夏生も里依紗も不安げに状況を見守っている。大使を前にして下手に口は出せないのだろう。
しかし修吾の目が逸れることなく真っすぐに自分を見ていることに気づいた瞬間、誌史の決意が固まる。今こそパリの恩返しをするときだ。
(今度は私が神谷さんを助けなきゃ。それにきっと、この場だけの話でしょうし)
小さく息を吸い、意を決した。
『本当なのかい?』
彼の目が誌史に向けられる。深く青い瞳が、心の奥を見透かすように静かに問いかけてくる。ルモアンヌの確認は冗談の延長のようでいて、どこか真剣な響きを帯びていた。
誌史は息を呑んだまま、言葉を探していた。喉が乾き、手に持っていた資料の角が指先に食い込む。視線を修吾に向けると、彼はなにも言わず、ただ静かに目で語っていた。
〝頼む〟
切実な願いをその瞳に宿していた。
(どうしよう……)
迷いに迷う。〝婚約者〟という単語が頭の中をぐるぐると回っていた。
夏生も里依紗も不安げに状況を見守っている。大使を前にして下手に口は出せないのだろう。
しかし修吾の目が逸れることなく真っすぐに自分を見ていることに気づいた瞬間、誌史の決意が固まる。今こそパリの恩返しをするときだ。
(今度は私が神谷さんを助けなきゃ。それにきっと、この場だけの話でしょうし)
小さく息を吸い、意を決した。