仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 シュワッとした炭酸が渇いた喉に心地いい。


 「あのふたりとは普段から仲がいい?」
 「里依紗さんと夏生さんですか?」
 「〝夏生さん〟?」


 修吾の目が糸のように細くなる。


 「はい、夏生さんと里依紗さんですよね?」


 なぜか夏生だけ聞き返す彼に同じように繰り返す。


 「里依紗さんは私の教育係的な感じで、夏生さんは里依紗さんと同期で仲が良くて、その繋がりで私にもよくしてくださってるんです」
 「よくしてくれる、ね」


 どことなく含みがあるような言い方だ。


 「どうかしたんですか?」
 「いや。でも、そうだな……今から俺のことも下の名前で呼ぶようにしようか」
 「えっ」
 「婚約者より同僚のほうが親しげなのはどうなのかと俺は思うけど、キミはどう?」


 修吾は〝同僚〟の部分を強調しながら、軽く首を傾げて誌史を見た。
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