仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
部屋は三階。1DKでひとり暮らしには十分な間取りだ。
「静かな場所だね」
「はい。賑やかな場所から離れているので」
夜になると人通りも少なく、東京とは思えないほど静かだ。
「でも建て替えがあるらしくて、来年には出て行かなきゃならないんです」
「それは大変だな」
同じ条件の部屋を探したら、きっと財布には厳しい家賃だろう。それを思うと不安しかない。
エレベーターを降りて右へ向かったら部屋はすぐ。玄関の前で立ち止まり、修吾に向かい合う。
「送ってくださりありがとうございました。イタリアンも美味しかったです」
「また美味しいものを食べにいこう。連絡するよ」
「楽しみにしてます」
「これからよろしく」
修吾がそう言った瞬間、視界が彼でいっぱいになる。驚く間もなく、唇が重なった。
軽く触れ合うだけで離れていく彼の姿がスローモーションで流れていく。誌史は目を丸くしたままフリーズした。
「それじゃ、おやすみ」
修吾は微笑みながら手を軽く上げ、エレベーターのほうに向かって歩いていく。
その背中が見えなくなって初めて、誌史は瞬きをした。息をするのも忘れていたらしく、肩を上下させて呼吸する。
「……今、キス……した、よね……」
茫然と立ち尽くしたまま、自分の唇に指先で触れる。彼の体温がそこにまだ残っているようで、今になって鼓動がスピードをあげていった。
「静かな場所だね」
「はい。賑やかな場所から離れているので」
夜になると人通りも少なく、東京とは思えないほど静かだ。
「でも建て替えがあるらしくて、来年には出て行かなきゃならないんです」
「それは大変だな」
同じ条件の部屋を探したら、きっと財布には厳しい家賃だろう。それを思うと不安しかない。
エレベーターを降りて右へ向かったら部屋はすぐ。玄関の前で立ち止まり、修吾に向かい合う。
「送ってくださりありがとうございました。イタリアンも美味しかったです」
「また美味しいものを食べにいこう。連絡するよ」
「楽しみにしてます」
「これからよろしく」
修吾がそう言った瞬間、視界が彼でいっぱいになる。驚く間もなく、唇が重なった。
軽く触れ合うだけで離れていく彼の姿がスローモーションで流れていく。誌史は目を丸くしたままフリーズした。
「それじゃ、おやすみ」
修吾は微笑みながら手を軽く上げ、エレベーターのほうに向かって歩いていく。
その背中が見えなくなって初めて、誌史は瞬きをした。息をするのも忘れていたらしく、肩を上下させて呼吸する。
「……今、キス……した、よね……」
茫然と立ち尽くしたまま、自分の唇に指先で触れる。彼の体温がそこにまだ残っているようで、今になって鼓動がスピードをあげていった。