仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 パーティー会場で人の気配が途切れた瞬間に見せた、目の奥の影。笑顔の奥に隠されたほんのかすかな張り詰め。近くで見ているからこそわかる違和感だった。
 意を決して、足を止める。


 「なにか、ありましたか?」
 「え?」


 修吾が驚いたように振り返る。


 「楽しそうにしていましたけど……本当は、すごくお疲れなんじゃないですか?」


 問いかける声は自然と小さくなった。彼の本音に触れたい気持ちと、踏み込みすぎてしまう不安が入り混じる。
 沈黙が落ちる。街のざわめきが遠くに聞こえる中、修吾は目を細めて誌史を見つめた。


 「……鋭いね」


 修吾は苦笑を浮かべ、ふっと視線を夜空に向けた。


 「交流会のあとから激務でね。大臣や次官が出席する国際会議用の演説草稿を、徹夜で何度も修正してた」
 「そうだったんですか」
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