仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
「助けていただいて本当にありがとうございました」
店の前で彼に頭を下げる。短い日程とはいえ、幸先のいいスタートを切ったと言っていいだろう。
「パリを楽しんで」
「はい」
「なにか困ったことがあったらここへ」
そう言って彼は、胸元から出したカードのようなものに万年筆でなにかを書いて誌史に差し出した。名刺だ。そこに携帯の番号が彼の手書きで記されている。
「ありがとうござい――ええっ!? が、外務省!?」
思わず素っ頓狂な声が出た。
名刺に〝外務省 参事官 神谷修吾〟とあったのだ。
「外交官なんですか?」
「そんなに驚かなくても」
思いがけず、彼が笑顔を見せた。クスッと笑った声が周りの空気を心地よく震わせる。その瞬間、やわらかな朝日が彼の横顔を照らし、深みのある瞳がきらりと光った。まるで、この街の洗練と静けさをそのまま纏っているようだ。
店の前で彼に頭を下げる。短い日程とはいえ、幸先のいいスタートを切ったと言っていいだろう。
「パリを楽しんで」
「はい」
「なにか困ったことがあったらここへ」
そう言って彼は、胸元から出したカードのようなものに万年筆でなにかを書いて誌史に差し出した。名刺だ。そこに携帯の番号が彼の手書きで記されている。
「ありがとうござい――ええっ!? が、外務省!?」
思わず素っ頓狂な声が出た。
名刺に〝外務省 参事官 神谷修吾〟とあったのだ。
「外交官なんですか?」
「そんなに驚かなくても」
思いがけず、彼が笑顔を見せた。クスッと笑った声が周りの空気を心地よく震わせる。その瞬間、やわらかな朝日が彼の横顔を照らし、深みのある瞳がきらりと光った。まるで、この街の洗練と静けさをそのまま纏っているようだ。