仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 大慌てで訂正する。言い訳めいた語調を深く反省した。

 (私ってば、なにを言ってるの……!)

 恥ずかし過ぎて堪らない。疲労困憊なら、自宅でゆっくりしたいだろう。


 「それじゃ、おやすみなさい。送ってくださりありがとうございました」


 早口でお礼を告げ、急いでドアを開けようとしたところで腕を掴まれた。


 「そのお茶、飲んでく」
 「……疲れてるのに大丈夫ですか?」


 そうくるとは思わなかった。振り返り、肩越しに尋ねる。


 「その疲れを取るためのお茶なんだろう? それとも〝疲れることをする〟誘い?」
 「ちっ、違いますっ」


 修吾が含みを持たせるものだから、顔が一気に熱くなった。


 「どちらにしても寄ってく。車、置く場所どこかにある?」
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