仮面フィアンセ〜憧れの外交官からの執着愛に今にも陥落しそうです
 「お、おはようございます。すみません、私も寝てしまって……」


 慌てて頭を下げると、修吾は微笑みを浮かべた。


 「おかげでよく眠れた。こんなに深く眠ったのは久しぶりだ。昨夜淹れてくれたハイビスカスティーがよく効いたんだろう」


 その穏やかな言葉に救われつつも、誌史は気を取りなおして立ち上がる。


 「じゃ、じゃあ……せめて朝ごはんを用意させてください!」
 「無理しなくていい」
 「いいえ! 簡単なものですから。それと、洗面所はこっちですので、顔を洗いたかったらどうぞ。タオルは棚に洗ったものがあるので使ってください」


 勢いよく言い切り、キッチンへ駆け込む。冷蔵庫を開けると卵とパンが目に入り、ベビーリーフとトマトもまだ残っていた。

 (よし、スクランブルエッグとサラダ、それからトーストにしよう)

 エプロン姿で慌ただしく動きながら、フライパンを振るう。


 「朝から頑張るな」
< 98 / 289 >

この作品をシェア

pagetop