悪妻エリザベスは破滅回避のため冷徹公爵と契約を結ぶ~異常な溺愛はお断りです~
(我が家はもちろん、お医者様を巻き込むなんて出来ない……!)
「私の口から説明しますからっ! だからどうか……!」
「では君から直接聞くことにしよう」
エリザベスの懇願にクラウスは満足そうに微笑んだ。物語初期に出てくるクラウスそのものだ。冷酷非道で目的のためならば、どんな手段でも厭わない。
いままでエリザベスが彼の婚約者として普通に生活出来たのは、彼の関心がこちらに向いていなかったからなのだと身にしみて実感した。
「……今から話すことは他言無用に願います」
「あぁ」
エリザベスは目を閉じて深く息を吐いた。
そして、父への説明と同じ内容を伝える。
お茶会の日、神のご神託を受けたこと。
自分との結婚がハーヴェイ公爵家の運命を狂わすこと。
この事実を公表すれば、教会を敵に回してしまうこと――。
「……妄言だとお思いでしょう? 私は頭がおかしくなったみたいです。だからどうか婚約を解消してくださいまし」
エリザベスは自嘲しながら深く頭を下げる。
クラウスは黙って話を聞いていたが、エリザベスの話が進んでいくうちに瞳から怒りの色が消えていた。
「今度の話はいくらか真実のようだな」
(クラウス様は人の心が読める能力でもあるの!?)
エリザベスはだんだんとこの男に恐怖を感じていた。
けれどそれを態度に出すことは許されない。神妙な顔のまま目線を下げた。
「先ほど偽りのお話をした理由も分かっていただけたかと思います。こうするより他、術が見つかりませんでした」
「神託とはな……君との結婚が国の損失か。興味深い話だ」
「信じていただけたのでしたら……」
婚約解消を、と言いかけたところでクラウスに「エリザベス」と遮られた。
「婚約は継続する。ハーヴェイ家は君を手放すつもりはない」
クラウスは断言した。その声は氷のように冷たいが、瞳はギラギラと抑えきれない熱が煮えたぎっているように感じられた。
見つめられるだけで全身の熱が奪われてしまいそうだ。
「私の口から説明しますからっ! だからどうか……!」
「では君から直接聞くことにしよう」
エリザベスの懇願にクラウスは満足そうに微笑んだ。物語初期に出てくるクラウスそのものだ。冷酷非道で目的のためならば、どんな手段でも厭わない。
いままでエリザベスが彼の婚約者として普通に生活出来たのは、彼の関心がこちらに向いていなかったからなのだと身にしみて実感した。
「……今から話すことは他言無用に願います」
「あぁ」
エリザベスは目を閉じて深く息を吐いた。
そして、父への説明と同じ内容を伝える。
お茶会の日、神のご神託を受けたこと。
自分との結婚がハーヴェイ公爵家の運命を狂わすこと。
この事実を公表すれば、教会を敵に回してしまうこと――。
「……妄言だとお思いでしょう? 私は頭がおかしくなったみたいです。だからどうか婚約を解消してくださいまし」
エリザベスは自嘲しながら深く頭を下げる。
クラウスは黙って話を聞いていたが、エリザベスの話が進んでいくうちに瞳から怒りの色が消えていた。
「今度の話はいくらか真実のようだな」
(クラウス様は人の心が読める能力でもあるの!?)
エリザベスはだんだんとこの男に恐怖を感じていた。
けれどそれを態度に出すことは許されない。神妙な顔のまま目線を下げた。
「先ほど偽りのお話をした理由も分かっていただけたかと思います。こうするより他、術が見つかりませんでした」
「神託とはな……君との結婚が国の損失か。興味深い話だ」
「信じていただけたのでしたら……」
婚約解消を、と言いかけたところでクラウスに「エリザベス」と遮られた。
「婚約は継続する。ハーヴェイ家は君を手放すつもりはない」
クラウスは断言した。その声は氷のように冷たいが、瞳はギラギラと抑えきれない熱が煮えたぎっているように感じられた。
見つめられるだけで全身の熱が奪われてしまいそうだ。