御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「妊娠したことを一緒に喜べる相手がいるのはうれしいことだし、心強いと思う。彼女さんに戸惑いや不安があっても海くんが一緒に考えて乗り越えていけばいいんだよ」
「そうか。そうだよな」
海くんは迷いが取れたような力強い声で答えたあと、視線がふと私に向かう。
「有紗はひとりで出産して、ひとりでふたりの子供を育ててるんだもんな。強いよ、有紗は」
「そんなことないよ」
私は首を小さく横に振った。
「私は弱いよ。でも、充輝と晴輝がいるから強くなれる」
今は私のようにシングルで子供を育てている家庭も多い。珍しいことではないのに、中にはまだシングル家庭であることに偏見を持つ人もいる。
子供がかわいそう。そういう目を向けられたり、実際に言われたりしたこともある。そういうときは気持ちを強く持ち、気にしないようにしている。けれど、やはり心は傷つく。
「海くんはきっと良いパパになるよ」
充輝と晴輝への接し方を見ていればわかる。
いとこの私の子供にも優しく愛情を込めて接してくれるのだから、自分の子供になればたっぷりと愛情を込めて子育てに励む姿が想像できた。
「ありがとな、有紗」
海くんの表情は曇りが取れ、先ほどよりも明るくなった気がする。
私の言葉で彼の心が少しでも軽くなったのならよかった。海くんには元気に笑っていてほしいから。