御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
海くんを見て微笑んだあとで視線を前に向ける。すると、前方から見覚えのあるスーツ姿の男性が歩いてくるのが見えた。
洸星さん……。
晴輝の忘れ物を届けに行くと連絡をもらっているので、ちょうど到着したようだ。
車で来たはずなので、近くのコインパーキングに停めてあるのだろう。
「有紗」
洸星さんが私たちの前でぴたりと足を止める。
いつにも増して険しい表情をしている彼が私の隣でベビーカーを押す海くんを一瞥した。
初対面なので気になるのだろうと思い、洸星さんに海くんを紹介する。
「洸星さん。こちらいとこの海くん」
私の言葉のあとで海くんが「初めまして」と頭を下げる。洸星さんも軽く頭を下げ「三澄洸星です」と名乗った。
「海くんとは保育園の帰り道に偶然会ったの。私の代わりにベビーカーを押してくれて」
「そうか」
説明すると、洸星さんが静かに呟く。その視線が私から海くんへと移動した。
「有紗がお世話になりました。あとのことは俺にすべて任せてください」
洸星さんの凛とした声が静かに響いた。
すると海くんの表情がいつになくきりっと引き締まる。
「もちろん。あなたにすべて任せるつもりです」
海くんはベビーカーのハンドルから手を離し、さっと離れた。