御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす

 アパートに到着する少し前に、充輝と晴輝が目を覚ました。 

 ふたりには洸星さんが来ることを伝えていなかったので、寝て起きたら彼がいることにまずは驚き、それから笑顔を見せる。

 一緒に自然公園に行ってから充輝と晴輝は洸星さんにすっかり懐き、また会いたいと口にするようになった。

 今度いつ会えるかを尋ねられたとき、またいつかねと曖昧な返事しかできなかったが、こうして再び会わせてあげることができてよかった。

 玄関の前で充輝と晴輝をベビーカーから下ろす。扉を開けるとふたりは中に入り、座って靴を脱ぐ。


「洸星さんもどうぞ。狭いですが」


 間取りは1LDK。八畳ほどのLDKには小さめのローテーブルとテレビ、それから充輝と晴輝のおもちゃを仕舞う棚と絵本が並ぶ小さな本棚を置いてある。その隣には三畳の洋室があり、そこは寝室として使っている。

 狭い家だが親子三人で暮らすには不自由はしていない。

 玄関前で二人乗りベビーカーを畳み、それを持ち上げようとしたところで隣から手が伸びてきた。


「持つよ」


 洸星さんが代わりにベビーカーを持ち上げて、玄関の中まで運んでくれる。


「どこに置けばいい?」

「そこで大丈夫です。入口が狭くなっちゃうんですけど」


 二人乗りベビーカーは畳んでも大きいため、玄関を占領してしまう。来客のときなどベビーカーを押しのけてから扉を開けないといけないのでかなり不便だ。


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