御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「ママ。もうかえるの?」
晴輝が名残惜しそうにしているが、「帰るよ」と答えてずんずんと進んでいく。振り返るわけにも、立ち止まるわけにもいかない。
充輝も晴輝も私の子供だ。父親はいない。そうやって今日まで必死にふたりを育ててきたんだから。
「待てよ、有紗」
すぐ後ろで洸星さんの声が聞こえたかと思うと、晴輝と手を繋いでいる方の肩をグイッと掴まれる。
思わず立ち止まり、振り返った。
交際していた頃でも見たことがないほど当惑の色が浮かべる洸星さんと目が合う。
「正直に答えてほしい。もしかしてふたりは俺の……」
「違います!」
洸星さんが言い終わらないうちに私は声を張り上げた。
「私の子供です」
「だがーー」
「ママ?」
洸星さんが言葉を続けようとしたところで、私を呼ぶ充輝の声がした。
いきなり大きな声を出してしまったからだろうか。じっと私を見つめる充輝の瞳はどこか不安そうに揺れている。
反対側では晴輝が私の手を握る力をぎゅっと強めた。
落ち着かないと……。