御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「ああ、これか。たぶん食事中に付いたんだな」
テーブルを見ると充輝と晴輝のお皿が乗っているだけで、洸星さんが食事を取った形跡がない。一緒に食べるように伝えたけれど、食べなかったのだろうか。
ということは、洸星さんのワイシャツのシミは充輝か晴輝のどちらかが付けたのだろう。
「すみません。洗ってお返しします」
彼が着ているワイシャツだからおそらくオーダーメイドのスーツに合わせた高級ブランドのものだろう。それなのに汚してしまうなんて。
「このくらい問題ない。気にするな」
そう言われても気にしてしまう。
どうやったら落ちるだろうかとワイシャツのシミを見ていると、「それよりも」と洸星さんが声を上げる。
「充輝くんも晴輝くんも偉かったぞ。ママが作ったご飯だからと残さずきちんと食べていた。そうだよな」
洸星さんが充輝と晴輝の頭に優しく手を乗せた。
普段はあまり完食できないが、珍しく残さず食べられたのは充輝と晴輝がきちんと食べたのもあるけれど、きっと洸星さんの言葉掛けなどもあったからだと思う。
「洸星さん、ありがとうございました」
初めて訪れた家で夜ご飯の支度をして、小さな子供に食べさせるのは大変なことだったに違いない。
彼は晴輝の忘れ物を届けに来てくれただけなのに、色々と手伝わせてしまって申し訳なかった。