御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「美貴さんが、社長に隠し子がいるのは企業イメージに傷がつくので――」
『別れろと言われたか?』
洸星さんが私の言葉を途中で遮った。
美貴さんからは直接的には言われていない。彼女は遠回しな言い方で私が洸星さんとの別れを選ぶように話しかけてきた。
「私との交際が続けば洸星さんは社長の座を追われるかもしれないと言われました」
『あの女……』
洸星さんにしては珍しく苛立ちの感情が声に出ていた。自分を落ち着かせるためか軽く息を吐いたあとで彼が続ける。
『俺に隠し子がいると社内で噂になっているのは本当だ。俺も最近秘書から聞いて知った』
「そうなんですね」
やはり洸星さんはすでに知っているらしい。
噂になっていることが本当なら、社内での彼の印象は私たちのせいで悪くなってしまったかもしれない。
美貴さんの言った通りだ……。
社長としての洸星さんの足を引っ張ってしまったと思うと強く胸が痛んだ。
『だが、有紗が不安になることはない。両家への挨拶が終わり、正式に結婚が決まれば社員にもきちんと説明をするつもりだ。このままうやむやにさせるつもりはない』
洸星さんははっきりとそう口にする。
『今後企業イメージに傷がつくかどうかはこの件がどこまで明るみに出るかによるが、それによって俺が社長の座を追われることはないから心配するな。東雲美貴が大げさに言っただけだ』