御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「有紗とまたこの店で一緒に飲みたかった」
「私もです」
実は私も今日もしも時間があればこのバーに来たいと思っていた。
まさか洸星さんが連れてきてくれるとは思わず、驚きと嬉しさで胸の中に熱いものが込み上げる。
「どうぞ」
店の前で立ち止まり、洸星さんが入口のドアを開けてくれる。先に入るよう目で合図され、ゆっくりと店内に足を踏み入れた。
その瞬間、ここに通い詰めていた当時のことが鮮明に蘇る。懐かしさが込み上げて胸が震えた。
あとから入ってきた洸星さんとともに店員に案内されて席につく。よく座っていたカウンター席ではなく、四人がけのテーブル席だ。
メニューは新しく増えたものもあるけれど、ほとんど変わっていない。私は当時よく頼んでいたお酒を注文した。
すぐにお酒が運ばれてきたので、私たちはグラスを掲げて乾杯をした。
一口飲んだあとで、店内をぐるりと見回す。カウンター席の隅の席が目に留まった。
「ここで洸星さんに助けてもらったときのことを思い出しました」
私の言葉を聞いた彼が静かに微笑み、グラスに口をつける。
「懐かしいな」
「外国の方に声を掛けられてとても困っていた私を洸星さんが英語でかっこよく助けてくださいましたよね」