御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「わ、私は洸星さんの――」
「あまり俺を怒らせるな」
美貴さんの言葉を遮った洸星さんからは静かな威圧を感じ、この場の空気が張り詰める。
彼もずっと美貴さんには手を焼いていたのだろう。けれどさすがに堪忍袋の緒が切れたらしい。
美貴さんも洸星さんを本気で怒らせてしまったとようやく察したようで、彼女の顔が青ざめていく。
そのままなにも言わず私たちに背を向けると、逃げるように立ち去っていった。
美貴さんの姿が見えなくなり、私はホッと息をつく。
ここまで言われれば彼女はもう私たちに関わるのはやめるはずだ。
洸星さんに想いを寄せているようだけれど、あれほど強く拒絶されたらさすがにもう望みはないと気付いただろう。
「親が親なら子も子だな。しつこくて困る」
隣で洸星さんが呟いた。
「どういう意味ですか?」
「いや。こっちの話だ。」
尋ねると洸星さんは口角をほんの少しだけ緩めて微かに笑った。先ほどまでピリッとしていた彼の雰囲気はもう消えている。
「帰ろう、有紗」
「はい」
洸星さんが私の手を優しく握り、私からも手を握り返した。