御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
ふたりで何を話していたのだろう。
外国人男性がこの場を去っていったが、もしかして三澄社長が追い返してくれたのだろうか。そうだとしたらすぐにお礼を伝えないと。
すると、私よりも先に三澄社長が口を開く。
「こういう店に来るのは初めてか?」
テーブルに片手をつき、鋭い瞳で私を見つめる三澄社長を前に私はいいえと首を横に振る。
「何度か来たことがあります」
「それならああいうときの上手なあしらい方をもっと学んだ方がいい」
三澄社長が呆れたような表情で腕を組んだ。
「こういうカジュアルなバーはナンパ目的で来るやつも中にはいる。うまくあしらえないようでは向いてないんじゃないか。きみみたいな子はもう来ない方がいい」
私を見下ろしながら三澄社長はきっぱりとそう言った。
向いてない?
もう来ない方がいい?
初対面の私に対していくらなんでも失礼じゃないだろうか。
三澄社長がこんな人だとは思わなかった。
食堂の調理担当のパートさんたちは、彼のことを冷静で聡明な人だと言っていた。
部下から慕われ、信頼も厚いと褒め千切っていたのに、今の彼の態度は私に意地悪を言っているとしか思えない。
絡まれているところを助けてもらったのは感謝している。でも、この店に向いているも向いていないも、来るも来ないも私が決めることで、初対面の三澄社長には関係ない。