御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす

 ふつふつと怒りがこみ上げ、私は勢いよくイスから立ち上がった。


「でも、さっきのは英語だったから。日本語だったら、もっとうまく対応できます」


 三澄社長のあまりにも感じの悪い言い方に思わず感情的になってしまいタメ口と敬語が混ざる。

 勤め先の社長という偉い立場の人だが、どうせ向こうは社員食堂の管理栄養士である私のことは知らないはずだから関係ない。

 勢いよく啖呵を切ったつもりが、身長一五五センチの私よりも三十センチほど背の高い三澄社長を見上げる形となりまったく威圧感がない。

 三澄社長が私を見下ろし、鼻でふんと笑う。


「どうだかな」


 そう言って私に背を向けると先ほどまで座っていたカウンター席に戻っていった。

 なにあの人!

 私はイスに座り直し、グラスの中のお酒を口に流し込む。

 今夜は嫌な気持ちを忘れるためにここへ来たのに、余計に腹が立ってきた。

 今度食堂の調理担当のパートさんたちに三澄社長の正体を話さないと……!

 グラスを強く握りながら、真正面を見つめてそんなことを思っていると、ふと隣に気配を感じた。

 振り向くと自分の席に戻ったはずの三澄社長がグラスを手に戻ってきている。そして、私の隣の席に腰を下ろした。


「さっきの男にきみの友達だと言ってしまった。それなのに別々の席に座っているのはおかしいだろ」


 三澄社長はグラスを持ち上げ、私に視線を向ける。


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