御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
こういうとき自分がふたりいればいいのにとたまに思う。それか私と一緒に子育てをしてくれるパートナー――充輝と晴輝にとっては父親の存在がいたら……。
ふとそんな弱い自分が顔を出したが一瞬で追い払う。ふたりを産むと決めたとき、ひとりでも立派に育てると誓ったのだ。
「はるくん、そこでストップだよ。……あっ!」
後ろを歩く私と充輝をちらちらと振り返りながら走っていたせいで、晴輝がなにかにつまずいて転んだ。
「大丈夫!?」
急いで充輝を抱っこして晴輝のもとへ向かう。けれど十三キロはさすがに重くて走るのは無理だ。
お腹から地面に転んだ晴輝はムクッと起き上がり、その場にぺたんと座っている。泣いてはいないが、怪我はしていそうだ。
すると近くを歩いていた男性が、転んだ晴輝に気づいたようで振り返り、駆け寄ってきてくれた。
この距離からだと表情などはよく見えないが、すらりと背の高いスーツ姿の男性だ。
コスモス畑に来るような格好ではないことに少しだけ違和感を覚えていると、男性が晴輝の前で片膝をついた。
スーツが土で汚れてしまうかもしれないのに、そんなことは気にしていないようだ。
「大丈夫か?」
「うん!」
晴輝は頷くと、男性に支えられながらゆっくりと立ち上がる。
「強いな、泣かなくて」
男性が晴輝の髪をくしゃくしゃっと撫でた。