御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす

 さすが大勢の社員を束ねる大企業の社長だ。

 普段から部下たちのことをよく見て、落ち込んでいるときには励まし、ミスをしたときはフォローしながらモチベーションを上げているのかもしれない。

 自身の会社の社員だけでなく、委託先企業の社員である私のことまでしっかりと見てくれていたなんて……。


「ありがとうございます」


 ふわっと心が軽くなり、ほんの少し笑顔が戻った。

 彼氏に裏切られて振られたばかりだからか、三澄社長の優しさが心に染みる。


「三澄社長って優しいんですね」


 失礼な言い方だっただろうか。

 でも、外国人男性からの誘いをうまく断れなかった私にこのバーにはもう来ない方がいいと冷たく言い放ったときの彼は私にとってとても嫌味な人だった。

 けれどたった今その印象がガラリと変わった。

 すると三澄社長が静かにふっと笑う。


「俺が優しさだけで言っていると思うか」


 私の手に彼の手がそっと添えられる。


「きみをずっと見ていたのは、きみのことが欲しいと思っていたからだ」


 見つめられながらぎゅっと優しく手を握られ、私の胸が小さく跳ねた。


「み、三澄社長?」


 私を励ましてくれていたときの優しい雰囲気はどこへ行ってしまったのだろう。今の三澄社長からは獣のような鋭さを感じる。


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