御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす


「さっきのバーで俺が気になる女性には恋人がいると話したよな」

「はい」


 その人に会うために三澄社長はあのバーに来ていると言っていた。


「その女性はきみのことだよ。関水有紗さん」

「えっ」


 私!?

 予想もしていない発言に思わず目を見開く。


「か、からかわないでください」

「からかっていると思うか」


 触れられている手を引き抜こうとしたが、さらに強い力で拘束される。


「以前社員食堂を利用したとき、きみが俺に定食を手渡してくれたよな」

「は、はい」

「あのときのきみの笑顔に惹かれた」

「笑顔……」


 三澄社長に定食を手渡したのは覚えているがどんな表情でどうやって手渡したのかまでは覚えていない。

 他の社員さんたちにも同じように定食を手渡していたので、彼だけを特別にはしていなかったから。

 この人が新しい社長なんだ……と思った記憶ぐらいしか私には残っていない。

 けれど三澄社長はそのとき私に想いを寄せてくれたようだ。


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