御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす


「……洸星(こうせい)さん」


 私の口からも自然と彼の名前がこぼれた。

 もう二度とその名前を口にすることはないはずだったのに、まさかこんな場所で再会するとは夢にも思っていなかった。

 三澄(みすみ)洸星。

 大手電気メーカー『MISUMIホールディングス』の御曹司で、社長でもある彼は四年前に別れた恋人だ。そして、充輝と晴輝の父親でもある。

 現在も東京で暮らしているはずが、なぜ私の地元である隣県にいるのだろう。しかもスーツ姿でコスモス畑になんて……。


「ママ?」


 ふと晴輝の声が聞こえ、洸星さんがハッとしたように私から離れた。


「すまない」


 罰の悪そうな顔を見せる彼に、「いえ」と私は首を振る。それから充輝と晴輝を自分の方へ引き寄せた。

 目の前の洸星さんを見ると、彼も私を見ていたようで視線が交わる。


「やっと見つけた」


 ホッと安心したように彼は静かにそう言った。

 その言葉に私はとっさに顔を背ける。

 四年前、私は何も言わずに洸星さんの前から姿を消した。もう二度と会わないつもりで連絡も絶っていたので、突然の再会に気まずさを覚える。


「……お久しぶりです」


 無視をするわけにもいかず当たり障りのない挨拶をした。


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