御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす


「わかってる。俺のことは言わないよ」


 きっと動揺するだろうから、ふたりにはまだ父親だと名乗らないでほしい。洸星さんはそんな私の気持ちを汲み取ってくれた。

 保育園に到着すると駐車場に車を停めて、私だけ園舎に向かう。折りたたみ傘を差しながら充輝と晴輝を連れて洸星さんの車に戻った。

 見慣れた国産車とは違うデザインの外国車を見て、充輝と晴輝の目が輝く。


「わぁ! かっこいい!」

「かっこいい!」


 ふたりは一瞬で興味を惹かれたようだ。「今日はこの車に乗って帰るよ」と言えば、「やったー!」と弾けるような笑顔を見せる。

 扉を開けて、ふたりを順番にチャイルドシートに乗せる。後方の席は少し狭い作りになっているが、慣れない車に緊張しているのかふたりとも大人しくしていてくれたのでスムーズに座らせることができた。


「かっこいいねー」

「ねー」 


 晴輝の言葉に充輝が頷く。

 洸星さんの車は特徴的な外観だけでなく、内装も洗練されたデザインになっている。運転席はまるで飛行機のコックピットのようだし、液晶モニターは最新鋭のもの。光沢のある黒のシートは本革を使用しているのだろう。

 私も初めて乗ったときはとても感動したのを覚えている。

 充輝と晴輝を座らせたあとで私も助手席に乗り込んだ。


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