御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす


「この車、気に入ってくれたのか?」


 運転席から洸星さんが後部座席を振り返る。すると、晴輝が洸星さんを指さした。


「このまえのひとだ」


 コスモス畑で会ったのを覚えていたのだろう。


「どうしているの?」


 不思議そうに晴輝が呟く。充輝も気になるらしく、洸星さんをじっと見たあとで私に視線を向ける。


「じぃじとばぁばは?」


 雨の日は私の両親の車で帰るので、なぜ今日は違うのだろうと気になったのだろう。繊細な性格の充輝らしい気付きだ。


「じぃじとばぁばは遠くにお出かけ中なの。だから今日は来られないんだよ」


 説明すると、充輝は「そっかぁ」と少し寂しそうに呟いた。最初こそ外国製のかっこいい車に興奮していたが、乗り慣れた車との違いに少し心細くなったのかもしれない。

 一方で好奇心旺盛でこわいもの知らずな晴輝は足をバタバタさせて楽しそうに車内をきょろきょろと見渡している。


「はるくん。足はじっとしていようね」


 晴輝が足をばたつかせるたびにシートに靴が当たり私は冷や冷やしてしまう。

 洸星さんの車は一軒家が買えてしまうほどの値段だ。そのうえ彼はとても車好きなので、愛車を大切にしている。


「すみません、洸星さん」


 申し訳なくて謝罪すると洸星さんが微笑む。

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