御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「アパートはここを右か?」
運転席から洸星さんに声を掛けられ、私は顔を前に戻す。一方で充輝と晴輝はふたりで声を揃えて大好きなアニメの主題歌を歌い出した。
「はい。まっすぐ行くと見えてきます」
「了解」
洸星さんの運転する車が交差点を右に曲がる。少し狭い道に入り、しばらくしてからアパートが見えてきた。
到着する頃には雨が止んでいた。
助手席から降りた私は充輝と晴輝を降ろそうと後部座席にまわる。まずは晴輝から降ろすと、運転席から降りてきた洸星さんが充輝のことをチャイルドシートから降ろしてくれた。
ふたり分の登園バッグを肩にかけ、右手を晴輝と、左手は充輝と握った。
「洸星さん。今日はありがとうございました」
ぺこりと頭を下げる。それから双子に声を掛けた。
「みっくんとはるくんもお礼を言って」
「ありがとうございました」
大きな声の晴輝のあとで充輝は少し恥ずかしそうに「ありがとうございました」と言った。
「どういたしまして」
膝を曲げて腰を落とし、姿勢を低くした洸星さんが両手で充輝と晴輝の頭をポンと撫でる。
しばらくふたりを見つめたあとで立ち上がり、私と視線を合わせた。
「チャイルドシートはどうすればいい?」
「あ……」
洸星さんの車に乗せたはいいけれど、そのあとのことは考えていなかった。