御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
こうなったときの晴輝はもうカレーは食べてくれない。
なにが食べたいか尋ねたときはカレーが食べたかったけれど、私と充輝が親子丼を食べているのを見て自分も食べたくなったのだろう。
自分でカレーが食べたいと言ったのだから最後まで食べ切るべきだけれど晴輝はまだ三歳。こういうときは臨機応変に対応するようにしている。
それに、絶対にこうなると見越して親子丼の具は少し残してある。
「わかった。はるくんの親子丼持ってくるね」
席を立ち、キッチンに向かう。晴輝の分の親子丼を器に盛って、再びリビングに戻った。
「はい、どうぞ」
晴輝の前に親子丼の入った器を置く。
「ママ。ありがとう」
晴輝はそう言うとスプーンを手に取り、「いただきます」ともう一度手を合わせて親子丼を食べ始めた。その髪を優しく撫でる。
「美味しい?」
尋ねると、晴輝が「うん」と頷いた。
残ったカレーは私が食べることにして、夜ご飯を続けていると玄関のチャイムが鳴る。
こんな時間に誰だろう。
荷物の配達かなと思いながらインターホンに出る。
「はい」
「こんばんは」
モニターに映っているのはキャップを被った細身の男性。
「海くん」
「有紗。今、大丈夫?」
「待って。開けるね」
玄関に向かい扉を開ける。そこにいるのはいとこの海くんだ。
父の妹の息子で、私より三歳年上の彼は私の両親が営む和菓子屋で働いている。