御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「おじさんからどら焼き持っていくように頼まれた」
海くんが手に持っている紙袋を顔の横まで持ち上げる。中には実家の和菓子屋の名物でもあるあんこたっぷりのどら焼きが入っている。
「ありがとう」
私は紙袋を受け取った。
「せっかくだから寄っていって」
「じゃあ遠慮なく」
海くんを家に招き入れる。玄関で靴を脱ぎ、海くんは慣れたようにリビングに向かった。
「あ! かいくんだ」
「かいくんだ」
食事中の充輝と晴輝が駆け寄ってきて、海くんに抱きついた。にこにこしながら海くんがふたりを受け止める。
「ふたりとも、こんばんは」
充輝と晴輝が声を揃えて「こんばんは」と挨拶を返した。
「海くん、晩ご飯は?」
貰ったどら焼きをキッチンに置いてから、充輝と晴輝と一緒にテーブルについた海くんに尋ねると「さっき食べてきた」と返ってくる。
「じゃあコーヒー淹れるね」
「ありがと」
もしも晩ご飯が済んでなければ親子丼で良ければまだ残っているので出そうと思ったが、食べてきたのならコーヒーを出すことにした。
おそらく私の実家で両親と一緒に食べたのだろう。海くんは和菓子屋を継ぐことが決まっているので、父も母も本当の息子のように彼を可愛がっているから。