御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす

 誘いの返事ができないまま黙り込んでいると、しばらくして洸星さんの声が聞こえた。


『来週の九時にアパートまで迎えに行く』

「えっ」

『九時だと早いか?』

「いえ、大丈夫です」


 とっさに答えてしまった。


『じゃあ九時に。楽しみにしてる』


 その言葉を残して電話は切れた。

 スマートフォンを耳から離し、画面を見つめる。

 突然決まった予定に戸惑いつつ、楽しみにしてると言った彼の言葉が耳から離れない。

 行ってもいいのだろか。

 でも、約束をしてしまったし。

 戸惑いを残しつつ、ひとまず寝室を出てリビングに戻った。


「ママ。ぜんぶたべたよ」

「ごちそうさました」


 充輝と晴輝が空になったお皿を見せてくる。


「本当だ。お皿きれいなってすごいね」


 完食したことを褒めればふたりはうれしそうに笑った。


「なんの電話だったんだ?」


 海くんに尋ねられ、私はテーブルにつく。それから充輝と晴輝を順番に見て声を掛ける。


「来週、自然公園に行けることになったよ」


 そう言うと、ふたりは顔を見合わせ「やったー!」と同時に声を上げた。


「じぃじとばぁばと?」


 充輝に尋ねられて私は首を横に振る。


「ううん、違うよ。この前、かっこいい車に乗ったの覚えてる?」

「おぼえてる」


 晴輝が大きく頷いた。


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