御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「姉の車を借りた。俺の車だと後部座席が窮屈だったろ」
「いえ、そんなことは……」
否定しつつも、前回後部座席のチャイルドシートにふたりを乗せるとき少し手こずったのを思い出す。
「ファミリーカーの方が広々としているし、小さい子供を乗せやすい。それにトランクにはベビーカーや荷物も乗せられるからな」
今日は持ってこなかったが双子用のベビーカーも余裕で入るくらいの大きさだ。
今日のためにわざわざお姉さんから車を借りてくれたのだろう。洸星さんのその気持ちがうれしい。
「ありがとうございます」
「いや、俺の方こそ今日一日一緒に過ごせる時間をくれて感謝してる」
前方に視線を向けながらハンドルを握る洸星さんの口元が微かにほころんだ気がした。
ふと数日前に会ったときの彼の言葉を思い出す。やり直さないかと言われ、子供たちを一緒に育てたいとも言ってくれた。
本心だったのだろうか。それとも責任感から出た言葉なのだろうか。
そんなことを考えつつ運転席に座る洸星さんの横顔を見つめていると、後部座席から賑やかな歌声が聞こえてきた。
アニメの主題歌が流れ、充輝と晴輝が口ずさんでいる。
さっきまでアニメに夢中で一言も発しなかったのに、ふたりの声で車内は一気に騒がしくなった。