御曹司の深い愛が双子ママの心を甘く溶かす
「すみません。うるさくしてしまって」
私は慣れているけれど、洸星さんには迷惑かもしれない。
後部座席のふたりに向けて静かにするよう伝えようとしたが、洸星さんがふっと笑うのがわかった。
「この前も車で歌っていたし、この曲がよほど好きなんだな」
ちらっと私を見た彼と目が合う。
「賑やかで楽しいよ。普段は大人相手に堅苦しい会議ばかりだから子供の無邪気な声は癒やされる」
そう言ったあとで彼が苦笑する。
「ま、なかなか子供と触れ合う機会がないから俺はそんな呑気なことを言えるんだろうな。実際に子育てをしている有紗には大変なことも多いだろ」
「そうですね」
子供には癒やされるけれど、同じくらい大変なことも多い。だからといって投げ出すことができないのが子育てだ。
「どのくらい力になれるかわからないが今日は俺もいる。有紗にも楽しんでもらえたらうれしい」
「はい。ありがとうございます」
彼の言葉に自然と笑顔がこぼれた。充輝と晴輝の賑やかな歌声を聞きながら、私は前方を見つめた。